LIETO-GARDEN MITAKADETAIL

 

 

LIETO-GARDEN MITAKA

この計画は、三鷹と武蔵境の間の住宅地に佇む、JR東日本の寮・社宅だった築40年余りの建物を、単身者向けシェア型賃貸住宅(112戸)とファミリー向け賃貸住宅(24戸)に改修したものだ。

計画前、ここは地域の人たちにとって、木々が鬱蒼とした、巨大な、入ることのできない場所だった。どちらかというと歓迎されていない場所といっても良いかもしれない。私たちはその状況を変えるべく、敷地をひらき、住宅地にふさわしいパブリックスペースのあり方を考えた。

まず、前面道路との境界を隔てていた敷地北側の巨大な石積み擁壁を、大幅に解体して敷地を視覚的に開くとともに、西側の大通りに向けて新たな出入り口を作り、迂回が必要だった敷地を、通り抜けができるように変えた。また、主な利用者が住人だけでは敷地が閉じてしまうため、北側の前面道路に面して一般向けのシェア畑を誘致し、500mmほど道路から高さを持ち上げ、印象を強めた。シェア畑とシェア型賃貸住宅の間の空地は、誰もが自由に入ることのできる広場とし、住宅地のオープンスペースとしての価値を失わないよう、ゆったりしたスケールでテーブル・ベンチ・菜園用の足洗い場・植栽を配置した。

建築内部は日常的には住人専用だが、広場に面した場所をコモンスペースとし、外構と同じようなスケールの計画を行い、大きな開口部で連続性を持たせた。イベント時には広場と一体的に利用することができる。

 

現在、ここは一見とても普通な、それでいて気楽で幸せな日常が繰り返されている。ベビーカーを押したお母さんが散歩しながら通り抜けたり、菜園を手入れしに来た人を、お年寄りがベンチで休んで眺めていたり、住人が数人で談笑していたり。住人と地域の人が互いに気兼ねなく過ごしているが、ともに地域に住んでいる風景が立ちあらわれている。